『お前！偉くなりたいやろ！

えっ？俺か？
偉くなりたいに決まってるやないか！

偉くなって、金をガンガン儲けたら！
ええ車のって、ええ女と付き合って
ダイヤモンドの一つも買ってやって
ほんでやなぁ、ほんでやなぁ
そうそう、ええ酒のんで
仕上げに、城みたいな豪邸建てるんや！
わ…わかったか！

男はなぁ、そういう目標がなかったらアカンのや！
わかるか！ゆうすけ！
いつまでも仕事できん男になるぞ！

欲を持て！
欲がないと、人は成長できんのやぁぁぁぁぁぁ！

よっしゃ！じゃあ！
ヘネシー入れとこ！

おいっ！姉ちゃん！
ヘネシーや！ヘネシー！』
…
…
20年、いやもう少し前かなぁ…

ヘネシー先輩から受けた
ありがたいアドバイスです…

まぁ、このヘネシー先輩は
相当極端な例ですが

人間大なり小なり
欲があって、その欲があるからこそ
向上心が生まれるし

選手だったら
強くなりたい！
勝ちたい！
ビッグレースで高額の賞金が欲しい！

だから練習する！
というのは自然な話だと思うのです。

しかし！
私は驚きました！

そんな価値観とは全く違うところで生きている若者がオートレース界に！

ヘネシー先輩が私に説教している
その瞬間に彼は産まれたかも知れません！

その男の名は
鈴木圭一郎選手

SG、4連覇した男が

ガラケーです。

当時、張り切って
携帯電話を自慢していた
ヘネシー先輩とは
対極にいる人間だと
感じました。

オートレースのことを
そんなに私も詳しく知っている訳ではないのですが

とにかく
整備してるのが好きで
ただ、走るのが好きで
オートレースが好きで

それ以外のことは
興味がない！

という

お金が欲しいからとか
名誉が欲しいからとか

じゃないんです！

好きだから走ってるんですね…

『別に走れるなら賞金もいらないし…』
『別に走れるなら賞金もいらないし…』

何てカッコいいフレーズなんですか！
鈴木圭一郎さん！

私もマネして言ってみましょう。

『別にオケラになれるならギャラも要らないし…』
『別にオケラになれるならギャラも要らないし…』

あかんよ！
いるよ！
お金！

ってか、オケラになりたくないし！
…
…
ダメですね…
根元から違いすぎる…

いや、でもね、ほんとに
まだ若いんですけど
彼はオートレースの仙人というか…

そういう存在になっていくんやろなあ
と。

常人離れした発想と
思考回路と
度胸と、ポリシーがあって

何より
オートレース、走るのが好きで好きでたまらないという

なんか
イチローの新人の頃を見るような

そんな末恐ろしさを感じました…
普段は競輪がもちろん
私の主戦場ですが

こんな面白い選手がオートレースにいたなんて…

久々に強烈な衝撃を受けてます…
いやぁ、私も頑張らないと！

って…
って…

何を頑張ればいいのでしょうか？