今開催に限ったことではない。短走路だから目立つということでもない。が、あやふやなブロックでせっかくの頭展開をふいにしてしまう競輪にはやっぱり閉口だ。逃げてくれているのだから精一杯の援護。それはわかる。競輪のもっとも競輪らしい、ある意味精髄だとも思う。だけどそれは時と場合による。脚と技術による。できないことを無理してやるより、できることに専念した方がよろしいかと。四日間ぽつぽつ見せられ「おいおい」と嘆く私がいた。
「下手の考え休むに似たり」じゃないけど、下手のブロック休むに似たりである。などと皮肉を吐けば、お前こそ下手の予想休むに似たりと返ってきそうだ。
富山GⅢ「施設整備協賛競輪」は飯野祐太の優勝で幕を閉じた。過去には優勝請負人(飯野の番手から優勝の美酒を味わった選手は数多)の名を馳せた男にふさわしい、北の仲間三人に盛り立てられた優勝だった。
青帽が内をするすると潜り進む。見計らって浮かぶと、雁行している野口裕史と飯野祐太のうしろに出た。絶妙の「息継ぎ」のように思えた。思わずテレビ画面ににじり寄る態の私。野口と飯野どっちだ? と迷う私同様に伊藤旭も迷っただろうか。ま、仕方ない。
伊藤の運行は私の希望とほぼ一致していた。一瞬だけど一緒にレースを走っているような感覚が起こった。負けた競輪の録画はあまり見ないたちの私だけど、今日はめずらしく三四回――伊藤旭と私の「共同作業」を中心に――見直している次第である。
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