高知記念三日目の第五競走S級選抜戦で島川将貴(徳島・109期)が見事バンク・レコードを更新した。上がりタイム「十三秒一」の捲りだった。正直それほどのスピードを感じなかったのはテレビ観戦ゆえか、それとも円形に近い形状の五百走路が与える景観か影響しているのかもしれない。
昔、誰に聞いたのだったか、早い時計が出る条件についてレクチャーを受けたことがあった。現役の競輪選手にだ。風速、風向、加速、自転車、走路……。私の乏しい知識ではよく理解できなかった。それでも愛想良く相槌を打っていた記憶が頭の片隅に残っている。
初日の島川は、後ろに室井健一(徳島・69期)-吉松直人(高知・90期)で一本被りも、総崩れ。記録を作った当該競走は島川-室井が又一緒、三四番手に伊藤正樹(愛知・71期)-吉田健市(愛知・87期)で総計四人のラインだった。初日の経緯もあるしここは先行一本が私の覚わった競輪だけど、実際はバック線を取らない(取れない)捲りで島川-室井-伊藤、並んだ順に入った。先にカマシを打った関根健太郎(神奈川・100期)-荻野哲(神奈川・75期)-二藤元太(静岡・75期)をすかさず叩きに行くも、スピードがあってしまい、四番手に入り直しての捲り返しがバンク・レコードを生んだ。ま、三番手以下に他地区の選手ならこれも定石の範囲だろう。刹那の判断を褒める人だった居るはずだ。だけれども固陋の私にはなんだかどうもねぇ……。
教わった早い時計が出る条件に「四人ラインで捲りにまわる」なンてのはなかったとおもう。
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