ガールズケイリンの独特な競走形態は措くとして、チャレンジでもA級でもS級でも男子競輪の競走形態の「大本」はおなじである。もちろん観戦者に伝わる迫力の差違は各層の能力に依るとしても、強かろうが弱かろうが、男性選手は、同一の「規則」とほぼ同一の「思想」を以て競輪という種目を闘っている。換言すれば――競輪は競輪である――という肝腎の範疇から逸脱することはない。あり得ない例え話だが、能力・賞金・地位によってそれぞれ「違う競輪」がおこなわれたとすれば、競輪というギャンブルはおそらく成立しなくなるだろう。これは他の公営ギャンブル、競艇やオートにも当て嵌まる筈だ。
小松島記念の初日が数時間前に終わった。前掲の持論に則り「七車立のS級戦は七車立のチャレンジ戦に似ていた」と記させてもらおうか。時計も違う。スピードも違う。チャレンジ戦に時折混ざる「最初から7着」の選手も居ない。朝から夕までS級レーサー。駒は揃った。それでも、七車立の競輪は七車立の競輪なのだと確認した次第だ。
だけど最終競走の松浦悠士はよくぞ届いたものだ! 七車だろうと九車だろうと、◎選手が必死に勝ちにゆく画は、競輪に於いて最上の別品である。
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