準決一発め――。岩津裕介は乗ったが松浦悠士は乗れなかった。捲りをブロックというよりは行かせてもう一度、もしくは番手捲りっぽい直線一気――最近の岩津、というか前々から岩津に抱く印象である。今日も捲りを止めるというより、前に踏むためのブロックという印象を持った。あくまで私論である。不快に思われる方がおられるなら申し訳ない。二日つづけて松浦-岩津の番組は正直手を出しにくかった、私には。
二発め――。そろそろくると見計らってよこに動いたつもりだろう福田知也は。しかし気が付くと意中の古性優作は自分の内側にいた。福田とすれば頭が真っ白になってしまう一変の状況だった?
三発め――。四番手捲りの坂井洋と七番手捲りの脇本雄太、画に描いたような力と力であった。坂井マークの内藤宣彦としてはこれ以上通過させては自分の着がない。当たられた浅井康太はツキがなかった。
【豊橋記念決勝】脇本雄太はきっと自分の頭で総被りのオッズを見ていることだろう。それゆえの超速捲り三連発には頭が下がる。脇本の仕掛け方に注文をつける人もいるらしい。が、たとえどんな仕掛けであったとしても、脇本がちゃんと一着を取っているのだから、それに離れた選手が悪い・敗因を担う。ただそれだけのことである。
初日、二次予選、準決の裏目のオッズを順に記すと、古性優作が抜くと460円、村上博幸が抜くと1,670円、浅井康太が抜くと980円だった。
古性以外は裏目千両である。逆に古性だけは裏目五百円以下という言い方もできる。このオッズを解するに、古性ならもしかしてという買う側の期待のあらわれであり、古性と決まるなら、差される可能性があってもロング・スパートも辞さず――そう脇本に決意させうる閾値なのかもしれない。と、勝手に思ったりする。
お客さん、豊橋の直線はけっこう長いですぜ――。なんでもいいから自分を暗示にかけ懲りずに裏目を追っている男がいるらしい。その男曰く、明日(決勝)の⑨①はいくら付くのかしらん。
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