２月のこの時期、覚えていらっしゃる方も多いと思うが、以前は３月のダービー出場権を争った、ダービートライアルが各地の競輪場で開催されていた。

　全選手、２回戦を行い、合計得点により、ダービーの出場権が与えられた。私は、このシステムが大好きで、廃止されたときは残念に思った。

　現在のように、ネット環境もなく、場外発売も少なかった頃は、記念級のスター選手への憧れはあったにしろ、私が大都市圏在住ではないため、それらの選手の走りを観れる機会は少なく、年に一度の記念の全後節と特別の場外中継、そしてこのダービートライアルであつた。

　私の競輪への憧れは、一部のスターにあったわけではなく、生で見る普通競輪（今でいうF２）の選手たちであり、当然生の競輪は、この普通開催、昔のＡ５、Ｂ２制度のＡ級２班以下の選手にあった。

　そして、このダービートライアルのおもしろかったのは、大スターに交じり普段観る、Ａ級２班の選手にも特別競輪の出場するチャンスがあったことだ。

　私は、真剣にＡ級２班の選手を応援した。前回も書いたが、私も学校でも社会でも、スターであったことは一度もなかった。なので、一握りのスターではない選手たちが、どうにか、ダービーに出てほしかった。

　プロスポーツ紙を購入し、ダービートライアル１回戦の各選手の得点を書き出し、Ａ級２班である選手が、高得点を挙げたとき、２回戦にその選手がどうにか、ダービー出場権を得ることができるように祈っていた。

　私は競輪が好きだ、特別も記念も普通開催もみんな好きだ。ギャンブルからすると、Ｓ級はＳ級選手同士で戦うというのが適正なのだろうが、年に一度、Ｓ級上位選手もＡ級選手と走る（Ａ級選手は希望者だけでよい）機会があっても良いと思っている。私が、ダービートライアルに燃えた気持ちにさせられるように。