遠山競輪研究所

ガールズ120期デビュー後初期の成績予測( 2021/04/22 )

ガールズケイリンの新人120期も、5月・6月のルーキーシリーズでプレデビューします。
その前の分析として、昨年の新人118期のデビュー期成績のまとめと、今年の新人120期のデビュー期のについてデビュー後初期の成績予測(デビュー7場所後のG指数および競走得点)を行いました。ご参照ください。

以下目次項目

1. 昨年新人(118期)のデビュー期成績まとめ

昨年デビューした118期生のデビュー期成績を下にまとめました。

対象選手:
118期 21人
対象期間:
デビュー期(2020年7月~12月)
総レース数(延べ数):
812個
1-1. 競走得点、勝率・連対率 および 優勝回数

118期全体のデビュー期の平均競走得点、勝率・連対率、優勝回数を集計しました。
比較参考として、過去5年分の新人デビュー期成績も併記しました。

表1-1. デビュー期の平均競走得点、勝率・連対率、優勝回数
卒業期118期(21人)116期(21人)114期(21人)112期(17人)110期(22人)108期(15人)
平均競走得点48.7349.0349.0850.1548.8849.90
勝率・連対率10.3% 20.4%10.8% 20.8%9.4% 20.5%15.7% 29.1%7.8% 18.3%15.3% 26.0%
優勝回数10回8回11回18回1回14回
競走得点
上位者
尾方 真生 55.95
永塚 祐子 52.97
永禮 美瑠 52.12
吉岡 詩織 54.81
山口 伊吹 53.12
久米 詩  52.30
佐藤 水菜 55.70
柳原 真緒 54.89
野本 怜菜 53.62
鈴木 美教 56.00
太田 りゆ 54.96
梅川 風子 54.78
鈴木 奈央 54.46
林 真奈美 53.08
大谷 杏奈 50.77
児玉 碧衣 56.66
尾崎 睦  56.27
細田 愛未 52.52
デビュー期内
優勝者
尾方 真生 6回
下条 未悠 2回
永禮 美瑠 1回
西島 叶子 1回
吉岡 詩織 2回
久米 詩  2回
藤田まりあ 1回
山口 伊吹 1回
鈴木 樹里 1回
村田 奈穂 1回
佐藤 水菜 5回
柳原 真緒 3回
野本 怜菜 3回
鈴木 美教 6回
太田 りゆ 4回
大久保花梨 4回
梅川 風子 2回
太田 美穂 1回
吉村早耶香 1回
鈴木 奈央 1回児玉 碧衣 8回
尾崎 睦  6回

118期生は在所時記録がとても高く、200mFD・400mFDタイムの期平均値はともに過去最高であり、デビュー後の成績も期待されたのですが、期全体の平均競走得点は 48.73点となり、106期以前も含めて 過去最低点でした。
それでも個人でみると、尾方真生選手はデビュー期の競走得点 55.95点、デビュー期内の優勝回数も6回で、直近6年では女王・児玉碧選手(108期)の次に成績が良かった鈴木美教選手(112期)に近い成績を挙げました。一人気を吐いた形です。
2回のゴールデンキャップを獲得しルーキーシリーズもV2した永塚祐子選手は、競走得点は尾方真生選手に次ぐ2位だったのですが、52.97点はやや物足りないですし、初優勝もデビュー2期目の2021年2月でした。

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2. 118期生デビュー7場所成績の予測値vs実績値

昨年5月の新人分析「118期生(ガールズ)デビュー期の成績予測」でデビュー7場所後のG指数値および競走得点を予測しましたが、予測値に対する実績値(デビュー7場所後の成績)の散布図を下に示します。
予測が的確であれば、水色の実線および緑の実線を中心とした分布になるのですが、実績値はその下側に分布しました。「118期は在所時の記録(200mFDタイム)がとても良くて全体として予測値は高めだったのに対し、デビュー後の成績は例年より低かった」という結果です。
でも相関度はとても高く、G指数,競走得点とも相関係数は 0.91 となりました。それぞれの破線が分布の回帰直線であり、120期のデビュー後初期の成績予測には、予測式をこの回帰直線に近づくよう修正して使用します。

ちなみに、各図で上に飛び跳ねた1点を赤丸で囲んでいますが、これは尾方真生選手のデータです。一人気を吐いているのがここでも分かります。

G指数7場所後の予測値vs実績値 競走得点7場所分の予測値vs実績値

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3. 120期生デビュー期成績の予測

今年デビューするガールズ120期のデビュー7場所後の成績を予測します。
基本的には昨年の118期予測に用いた予測式を利用しますが、予測式が上散布図の回帰式(破線の直線式)に近づくようパラメータ修正します。
初期G指数および初期競走得点を予測する変数として、「在所競走得点の偏差値」と「期全体の200mFDタイム平均」を用いてますが、その経緯については、「112期生(ガールズ)在校成績とデビュー期成績の関係調査」を参照下さい。

G指数値の予測式(ガールズ120期用) \[Giscore=0.3417×(Zdevi+(12.83-AveT2)×12.89))+0.09\]
\(Giscore\)
デビュー7場所後のG指数
\(Zdevi\)
在所競走得点の偏差値
\(Av2T\)
期全体の200mFDタイム平均値
初期競走得点の予測式(ガールズ120期用) \[Riscore=0.2998×(Zdevi+(12.83-AveT2)×12.89))+32.27\]
\(Riscore\)
デビュー7場所後の競走得点
\(Zdevi\)
在所競走得点の偏差値
\(Av2T\)
期全体の200mFDタイム平均値

120期の、上式の \(Av2T\)(期全体の200mFDタイム平均値)は 12.39 秒です。118期のタイム12.40 秒をさらに更新して過去最速でした。

在所成績に上式で計算した「デビュー7場所後の G指数および競走得点の予測値」を付加し、在所成績が高い順(=予測値が高い順)に下の表3-1 に並べました。

在所成績1位は和歌山の吉川美穂選手、2位は埼玉の飯田風音選手、3位は福岡の内野艶和選手でした。
吉川美穂選手は第1回と第2回の記録会でゴールデンキャップを獲得しましたし、飯田風音選手も第3回記録会でゴールデンキャップを獲得しました。
吉川選手は既にナショナルチームの一員であり、トラック中距離で国際大会への出場も豊富でメダルも複数個獲得しています。
飯田風音選手は高校時代インターハイのケイリンで優勝した実力者です。
内野選手も2019年の世界ジュニア選手権ポイントレースで優勝しており、ナショナルチームの一員でもあります。
卒業記念レースの優勝は在所成績8位の西脇美唯奈選手(愛知)でした。内野艶和選手の捲くりにのって直線抜け出しました。

5月・6月のルーキーシリーズ、7月の本格デビューが楽しみです。

ちなみに男子新人選手の場合、在所成績を評価する指数として 次式の 総合点(\(ZScore\))を使用します。

総合点の計算式 \[ ZScore = (1.1×ZrtP)+(2.5×ZrtB)-(85×Z2tm)+(50×(Av2T-11.49))+1270 \]
\(ZrtP\)
競走訓練における連対率
\(ZrtB\)
競走訓練におけるバック取得率
\(Z2tm\)
在所中の 200mFD最高タイム
\(Av2T\)
同期全体の 200mFD最高タイム平均値

参考データとしてこの式で計算した総合点も下表に付加しました。
選手のパワー(自力選手としての脚力)を予測するには、在所時の競走得点より総合点のほうが優れている指数だと思います。

総合点1位は飯田風音選手、2位は内野艶和選手で、若い2人が在所成績1位の吉川美穂選手を制してワンツーでした。

表3-1. 120期生 在所成績とデビュー後7場所の成績予測値 
(背景が薄金色の選手はゴールデンキャップ獲得者)
選手名
吉川 美穂
飯田 風音
内野 艶和
山口 真未
太田 瑛美
中村 鈴花
本多 優
西脇 美唯奈
吉田 りんご
川路 遥香
松本 ちひろ
蛯原 杏奈
菅原 ななこ
山本 さくら
堀井 美咲
宮本 杏夏
高木 香帆
濱野 咲
堀田 萌那
岩田 みゆき
刈込 奈那
年齢 府県 在所成績 デビュー後7場所
出走
回数
1着
2着
3着
B
回数
決まり手 競走得点 200m
タイム
総合点 G指数
予測値
競走得点
予測値
得点 偏差値 順位 点数 順位
28和歌山45261501571316581.4467.65111.95秒482.6325.1654.27
19埼玉453056216218081.2666.99211.67秒525.1124.9454.07
19福岡502995299205480.8665.52312.30秒497.9224.4353.63
29静岡5014149239104579.5860.82411.92秒478.2422.8352.22
20三重4611118110133678.5457.00512.06秒402.1521.5251.08
19熊本492161430321378.1455.53612.47秒310.61221.0250.64
19群馬4868193134677.6453.70712.16秒328.9820.4050.09
19愛知487773043777.6353.66812.00秒342.5720.3850.07
20大阪489109120411477.5253.26912.43秒364.3620.2549.95
23埼玉4867126045477.3552.631012.61秒304.01320.0349.77
25山口485101200141077.2752.341112.62秒276.51619.9349.68
21北海道48710134128677.0651.571212.48秒313.81119.6749.45
20宮城500483000475.1444.521312.71秒258.21817.2647.33
19愛知4916610130374.7543.091412.51秒318.2916.7746.91
26広島451441012274.7543.091512.62秒259.91716.7746.91
19岡山501551020474.7443.051612.31秒286.61416.7646.89
20岩手480465001373.5138.541712.19秒313.81015.2245.54
19東京470341000373.3437.911812.99秒223.02115.0045.35
20北海道480230000273.0836.961912.86秒226.32014.6845.07
28愛知491341020273.0236.742012.82秒239.21914.6045.00
20千葉501224300072.6635.422112.42秒285.71514.1544.61

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