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日曜日の喫茶店 vol.15

2015/10/11 10:23 閲覧数(1596)
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「あー、今年も光雄さんはノーベル賞ダメだったねぇ」

【川崎にある小さな喫茶店。
脱サラだとは言うけれど、全くうだつの上がらないサラリーマン生活に見切りをつけたマスターが開店した、カウンター6席だけの店。
日曜日の午前中はギャンブル好きの常連が集まる。
マスターと俺、デリヘル嬢の加奈ちゃん、そしていつも二日酔いでコーヒーをすする3流大学講師の光雄さん】

「俺も今年こそってドキドキしてたんだよ。その前に教授にもなってないけどさ」
「光雄さん取るなら何賞なの?」
と加奈ちゃんが聞くと
「歴史の先生には何もないよなぁ。今からゴルフ場の土でも取りに行くかな」

マスターが煙草に火をつけながら話し始めた。
「でもさ、競輪考えた奴にはノーベル賞あげてもいいんじゃねぇかなぁ」

加奈ちゃんがまた聞いてきた。
「それって何賞なの?」

うーん、国や市への貢献として経済学賞か、それとも健診車の提供で医学賞か。

マスターが煙草を消しながら答える。
「それは平和賞に決まってるだろ。だってさ、競輪の話でみんなといろいろしゃべれるじゃん。これってほんと幸せだよな」

確かにね。

「じゃあ、私にも平和賞ちょうだいよ。昨日もセーラー服で仕事してその人が悪いことするの防いでるかも知れないんだからさぁ」


それも間違いじゃない。
一生懸命頑張ってる加奈ちゃんにも何かあげたいね。

「よし、じゃあ今日は晴智の2着付けで加奈ちゃんにプレゼントでも買ってあげよう」
と光雄さんが言うと
「ほんと?手作りのメダルとかはイヤだからね」
「それどころか、川崎市に美術館でも寄贈しようかな」
そう言って光雄さんと加奈ちゃんは川崎競輪場へ向かった。

「みんないろいろあるんだろうけど、競輪ができるのは幸せだよね」
マスターが2本目の煙草に火をつけながら言った。

ふたりの願いは熊本まで届くだろうか。


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コメント(3)

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石田

こんばんは
佳作おめでとうございます。
加奈ちゃんは偉いと思います。
ではでは
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石田

ありがとうございます。
ほのぼのとしたのをまたお願いします。
加奈ちゃんによろしくです。
あっマスターさんにもですぅ(笑)
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