千葉競輪廃止報道がありました。
報道を見ると、どうも跡地利用の皮算用が見え隠れしているように感じます。その点は船橋オートと似た構造です。
まあ千葉競輪はナイター開催も周辺の反対で実施できないようですし（日没後にレースをやっているので、設備的には今すぐナイターは可能）、昼間開催しかできないならもうやめましょうということかと。

ここにきて伊東ナイター、高知ミッドナイトに加えて、小倉を借りての玉野、佐世保、武雄のミッドナイト開催もありました。
存続へ必死な場とそうではない場は二極化しているのは間違いないようです。
経産省サイドもやる気のない場は早々に退場してもらい、やる気のある場だけにならないと、競輪存続へ一枚岩になれない。
だから廃止については、いとも簡単にハナシが進むのではないでしょうか。


さて、21世紀に入ってから西宮、甲子園、門司、花月園、大津びわこ、観音寺、一宮が廃止されました。
場外発売を継続している門司、観音寺、一宮以外は、発売機能すらなくしてしまいました。

西宮は野球場にバンクを組み立てて開催しており、跡地はショッピングセンターになりました。
甲子園の跡地はマンションが建ったそうです。
びわこの跡地は…競輪場施設はまだ残っているようですが、正確な状況は把握できてません。
そして花月園ですが、現時点では施設はそのままの状態です。

ＪＲ京浜東北線（東海道線）鶴見～新子安間で山側を見ると、競輪場スタンドの屋根が見えます（京浜急行花月園前駅付近でも見えます）。
以前は旧日本鋼管社宅のマンションがあって線路からスタンドを見るのは難しかったのですが、そのマンションは取り壊されて見えるようになりました。
花月園競輪場は施設は花月園観光が保有していましたが、土地の保有者は神奈川県、横浜市、民間と複雑だったようです。
当初は花月園観光に更地化した上で退去を求めたようですが、裁判の末、そのままの状態での退去が認められ、結果スタンドは残ったままです。

花月園競輪の主催者・神奈川県競輪組合（神奈川県、横浜市、横須賀市で構成）は2014年度まで、川崎、小田原で借り上げ開催を行っていました。累積赤字削減が目的です。
ただ、この５年で競輪の売り上げは右肩下がりが続き、当初の目論見ほど赤字削減はできませんでした。
目玉開催の花月園メモリアルも、開催時期や斡旋メンバーの悪さもあって（Ｓ班出場はなし）他場の記念より売り上げは少ないままでした。

廃止しても施設はそのまま、他に例のない借り上げ開催も成功とは言い難い。経費削減も甘い、民間委託もしない。
５年前、廃止を強行した花月園競輪ですが、５年経って残ったのは施設と多少は減った累積赤字です。
借り上げ開催を続けるくらいなら、民間委託で５年間本場開催した方が累積赤字をもっと減らせたかもしれませんし、何より施設は有効活用できました。
そうでないとしても、５年も「廃墟」が放置されたままです（実際は廃止後しばらくは練習場として活用されていましたが、それも限られた期間でした）。
この「廃墟」状態だけ取っても、全く望ましくないのは、言うまでもないかと思います。


当たり前ですが、すでにある施設を取り壊すにも多額の費用がかかります。
跡地利用の見通しが明るければ、その費用も何とかなるでしょう。
しかし、花月園のような状態になって、却って市民の負の財産になる場合もあることも、皆さん知っておくべきでしょう。