取手Ｇ１「全日本選抜」決勝は平原康多が見事な優勝、平原は抑えに来た三谷竜生後位の稲垣裕之を飛ばすと捲った新田祐大を追ってこれを捕らえるとマークの武田豊樹の追撃をも振り切った。

まさに総合力のＶ奪取、ここは武田の地元だけにどうしても平原は「武田のウマ」という見方をしてしまうので車券は買いづらかったが、連日の素晴らしい動きは文句なしで勝者として相応しかった。

これまでは武田の前を回るといらないイメージしかなかったがこれで昨年の競輪祭に続いて平原→武田での決着、平原の充実ぶりが目立つ。

武田は地元Ｇ１優勝ならず、平原に任せた以上はこういう形になっても納得だろう。

全盛期はとっくに過ぎているし自力では厳しいが、平原の番手があればまだまだ勝負になる。

期待した新田はもつれたところを一気に仕掛けていったんは後続を突き放したが、平原に追いつかれて直線は失速の③着に終わった。

仕掛けるタイミングとしてはもつれたところでというのは一定の理解はできるが、いかんせん単騎であの仕掛けでは早すぎる。

車券を買っている側としてはこの選手の場合は８番手だろうが９番手だろうがそれで不発でも納得だが、今日のように飛び出してしまうレースはそもそも期待していないのだからそれで負けるのはちょっとガッカリだ。

それでも力のあるところは見せており、新田があのようなレースをするとさすがについてこれる選手も限られてくる。

終わってみれば平原が勝ってマークの武田が②着となり③着は新田で④着は浅井康太、結局は今年も平原・新田・浅井の「３強」がＧ１戦線の中心となるのは間違いない。

それではガールズケイリンへ、今日は名古屋最終日と佐世保ナイター決勝が行われた。

名古屋決勝は石井寛子が地元の長澤彩を退けて完全優勝を飾った。

レースは寛子→長澤→奈良岡彩子→蓑田真璃→亀川史華→松尾智佳→細田愛未という初手の隊列、残り２周で細田が上がっていくと亀川→松尾が続く。

寛子を抑えた細田が打鐘で斬った上を亀川が叩いて最終ホームで主導権、松尾は続けず外に浮いて亀川の後ろに細田→寛子→長澤となる。

細田は２角で車間を切って寛子・長澤を牽制、浮いた松尾が邪魔になり包まれていた長澤が最終バックで仕掛けると寛子も併せて踏み込み、長澤の後ろにいた奈良岡は３角から俊敏に内を掬って亀川と細田の間を割っていく。

直線は横に広がっての伸び比べ、これを制した寛子が久々に完全優勝を決めた。

寛子に併されて外を踏む形になった長澤は②着、内を突いた奈良岡が③着となった。

寛子は直線の伸び比べに勝って完全優勝、今年に入ってからすでに西武園で優勝はしているがパッとしなかったのがようやく完全Ｖを決めた。

当面の相手となった長澤や細田が自滅した感もあるがこれも寛子の実績があればこそだ。

長澤は今日はなんとも下手に乗ってしまったなという印象、そもそも寛子の後ろというのは着を拾うのならともかく優勝を狙うにはいい位置ではない。

理由は昨日も書いているし、当コラムの読者諸兄にはもはや申し上げるまでもなかろう。

だからどこかで外に出すなりしておきたかったが、今日は勝ちを意識しすぎたか結局寛子の距離までお付き合いしてヨーイドンで併されてしまった。

近況は決勝になると失敗が続いており今年に入ってからはまだ優勝がない。

奈良岡は長澤の後ろにいたが３角で内を掬って進出、いつもほめているがこれがこの選手の真骨頂でこの動きはもうガールズの域を越えている。

ただし脚力ではやはり寛子や長澤のほうが明らかに上位、これを負かすには展開の恩恵がほしい。

細田は一見絶好の展開だったが寛子・長澤を意識するあまり自分の持ち味を殺してしまったし、奈良岡に中を割られて最後は全く伸びなかった。

長澤もそうだが細田もある程度踏んでよさが出るタイプ、引きつけすぎるのはよくない。

一方の佐世保は尾崎睦と山原さくらが順当勝ち、車券もガールズ予選らしく堅い決着が続いた。

６Ｒは野口のぞみ→高橋梨香→井上玲美→尾崎→山口優衣→大谷杏奈→宮安利紗という初手、残り２周を通過して宮安が上がっていく。

打鐘で宮安はのぞみの後ろに入って２番手、大谷は内を掬って１車追い上げて尾崎後位が優衣との並走になる。

５番手になった尾崎は２センターあたりから始動、最終ホームで一気に前団を叩きにいくと大谷・優衣はあっさり離れる。

尾崎は１センターで前受けから突っ張り気味に踏んだのぞみを捕らえて先頭、最終バックで梨香が切り替えてその後ろに降りていた大谷も続くがのぞみも内で踏ん張る。

早めに仕掛けた尾崎に対して直線は梨香も差を詰めるが尾崎が貫禄の押し切り、梨香は惜しくも②着となり内で盛り返したのぞみが③着となった。

尾崎は予選では常に自信満々のレース、早めに仕掛けているので最終は梨香に詰め寄られたが着差以上に力の差がある。

今年はまだ優勝がないので今回こそ、当面の相手となる山原には前橋で敗れているだけにリベンジしたい。

梨香は惜しくも届かず、だんだんレース運びもスムーズになってきているし近況は内容がいい。

向日町の初日には山原と①着同着、初優勝へ向けて着実に前進している。

のぞみは前受けから尾崎に叩かれるも懸命に踏んで結果的には３番手の内で粘る形、盛り返してよく③着でしのいだ。

まだ粗削りだが脚はいいものがあり、地元のここはなんとしても決勝に乗りたい。

大谷はいったん尾崎に離れるもしぶとく梨香後位に降りたがパワーのあるのぞみに粘られて最後は伸び負け、大外枠も響いて道中で脚を使わされた。

７Ｒは佐藤友香→明珍裕子→佐藤亜貴子→森美紀→山原→田仲敦子→青木美優、打鐘を迎えて隊列は変わらず最終ホームで亜貴子が仕掛けて後続を突き放す。

しかしこれでは山原にとってはイージー、残り１周あたりから踏み込むと２角過ぎには２番手に浮上して先に抜け出した亜貴子を追いかける。

この時点でもう勝ったなという脚色、あっという間に亜貴子を捕まえて２センターでは先頭に立つ。

山原は食い下がった田仲を全く寄せつけず圧勝、初手から山原マークの田仲が②着となり逃げた亜貴子は山原→田仲に続いた青木を退けて辛うじて③着を確保した。

山原は亜貴子の大逃げにも動じず、このクラスではズラリと続かれて後方に置かれるようなことにはまずならないし、当面の相手が飛び出してくれてかえってレースはしやすかったと思われる。

今年に入ってからは贔屓め抜きにかなりいい雰囲気、前回取手決勝では梶田舞に完敗したが決して山原が弱いのではなく梶田が強すぎる。

ここは相手は尾崎だけ、しっかり完全優勝を期待したい。

田仲は初手から山原マーク、長く休んでいた時期もあり少し成績が落ちていたがここへきて以前の力を取り戻しつつある。

前回広島では初日に長澤を差し切って①着、今回も引き続き好気配だ。

亜貴子はまともに飛び出して後続を突き放すが山原に捕まって最後は失速、力押しだけでは今の山原に勝つのは難しい。

年末に連続優勝を飾り今年に入っても依然高いレベルのレースを続けているが、グランプリのメンバーも戻ってきてさすがに同じようにはいかない。

2/20
佐世保6Rガールズ予選2
[車 名 期県]
①大谷　杏奈　 110愛△
②森　美紀　　 102福
③井上　玲美　 104東
④尾崎　睦　　 108神◎
⑤田仲　敦子　 104熊○
⑥明珍　裕子　 104島
⑦佐藤　亜貴子 108神▲

④尾崎は前回松阪で⑦亜貴子を一蹴、ここも連勝が濃厚だ。

相手は⑤尾崎マークと思われる田仲が本線、亜貴子と好枠に転じた①大谷へ。

三連単
④→⑤＝①⑦

2/20
佐世保7Rガールズ予選2
[車 名 期県]
①山原　さくら 104高◎
②佐藤　友香　 110青
③野口　のぞみ 110長▲
④高橋　梨香　 106埼○
⑤青木　美優 　106栃
⑥山口　優衣　 108佐△
⑦宮安　利紗　 106岡

①山原の連勝、向日町で勝ち星を分けた④梨香が相手となるが力が違う。

相手は梨香から地元③のぞみと取手で山原マークの②着がある⑥優衣。

三連単
①→④＝③⑥