ガールズケイリンは静岡最終日と函館ナイター初日、まずは静岡から振り返りたい。

静岡決勝は石井貴子（千葉）が内に包まれるピンチも怒涛の追い込みで先に抜け出した細田愛未を捕らえて完全優勝、早くも今年８回目（高松ガールズコレクションを含む）の優勝を飾った。

レースは貴子→山本奈知→荒川ひかり→高木真備→日野友葵→中嶋里美→細田愛未という初手の隊列、残り２周を切ってバックから高木が動くと中嶋→細田が追走する。

打鐘で高木が先頭に立つと中嶋もその外まで進出して主導権争い、細田は中嶋に続いて貴子の外に位置する。

このまま残り１周を通過、貴子は絶好の高木後位のはずが中嶋→細田に包まれて仕掛けられない。

前の両者は依然モガキ合い、好機と見た細田が最終バックで勝負に出て捲りで一気に後続を突き放す。

しかしこれでようやく進路ができた貴子が３角あたりから猛追、あっという間に先に抜け出した細田との差を詰めるとゴール前で差し切って見事な完全優勝を飾った。

細田はいったんは完全に抜け出すも貴子の決め手に屈して惜敗の②着、以下は離れたが外を回った伏兵の荒川が③着に突っ込んだ。

貴子は内に包まれるピンチも落ち着いて進路が開くのを待ってから追い込み勝負、圧倒的な瞬発力でいったんは完全に抜け出した細田をゴール前で捕まえた。

調子が悪い時はガチャガチャと横に暴れることもある選手だが今はデキがいいのでその必要もない。

厳しい展開になったことでかえって強さが際立った印象、今一番強い選手と言っていいだろう。

細田はうまく貴子を封じ込めて勝負に出たが惜しくも②着、結果を見るともう少し我慢してもよかったかもしれないが、常々申し上げているようにエンジンのかかりが遅いタイプなので極端なヨーイドンにしてしまうよりはある程度踏み上がったほうが力を発揮できる。

想定していた展開とは違ったが工夫して勝ちにいった内容には納得、もっとやれるはずだしこれからさらに期待したい。

荒川は大健闘、初手の３番手から中嶋→細田に切り替えるも細田の捲りに離れて貴子にも先に出られてしまったが、両者が前を掃除した後に外から突っ込んで③着を確保した。

デビュー戦の京王閣でいきなり決勝で高木の②着と走ったがその後はやや停滞、まだまだひ弱い印象だがレースセンスはあるので体力がついてくればもっと成績もまとまってきそうだ。

高木と中嶋はさすがに打鐘からガッツリやり合っては厳しいところ、高木が簡単に制圧すると思われたが中嶋も脚がある。

函館では奥井迪が史上初の通算200勝を達成、先に加瀬加奈子が199勝目を挙げて並んだが奥井が逃げ切った(笑)。

６Ｒは中川諒子→大谷杏奈→篠崎新純→加瀬→矢野光世→井上玲美→藤巻絵里佳という初手、打鐘を迎えて動きのないまま残り１周を通過する。

結局中川がそのまま先行態勢、加瀬は十分の４番手でじっくり脚をためて２角過ぎから捲っていく。

中川もよく粘って両者が並んだまま直線へ、最後は加瀬が交わして人気に応えた。

逃げた中川が②着、やや離れて捲り追い込んだ篠崎が③着に入った。

加瀬は鋭く捲って快勝、通算200勝は奥井に先を越されたが未だ健在だ。

近況は優勝から遠ざかっているが年始に２回の優勝、なかでも伊東でついに奥井を負かしての優勝は印象深い。

中川は逃げたというよりは逃がされた感じだが最後までよく粘って②着、加瀬には交わされたが以下はむしろ突き放しており調子はよさそうだ。

篠崎は離れた③着、３番手から加瀬の捲りに切り替えようとしたように見えたが断念して結局元の位置から大谷を交わしただけになった。

もう少し差を詰めてほしかったが最後に伸びる形はまずます、和歌山決勝の落車からやや精彩を欠いていたが底は脱したか。

７Ｒは板根茜弥→奥井→森美紀→東口純→宮安利紗→山本奈知におそらく初手は最後方の奈良岡彩子が残り２周で上がっていく場面からダイジェストの映像がスタート、奥井が併せて出て奈良岡が追走するが奥井が前に出ると前受けの板根が２番手に入り奈良岡は３番手で打鐘を迎える。

４角あたりから奥井が踏み込むと板根は離れて早くも奥井の独走態勢、ぐんぐん後続を突き放していく。

あとはもうぶっちぎり、私のショボいガラケーでは後続の動きは確認不可能となった(笑)。

奥井は圧倒的な強さで通算200勝を達成、以下はズブズブの展開に乗じて後方から知佳が伸びて②着となり奈良岡は③着となった。

奥井はガールズケイリン史上初の通算200勝、以下に記した通り上位の通算勝利数は拮抗しているが、奥井は一番デビューが遅いのだから凄まじいペースだ。

知佳は奥井がぶっちぎって以下がズブズブというタフな展開で浮上、位置取りは課題だが今日は後方からのレースがハマった。

奈良岡は３番手から最後は自分で踏み込むも知佳に交わされて③着、落車明けということもあるが展開も厳しかった。

4/19
函館6Rガールズ予選２
[車 名 期県]
①山本　知佳　 110和▲
②井上　玲美　 104東
③加瀬　加奈子 102新◎
④藤巻　絵里佳 110島△
⑤奈良岡　彩子 104青○
⑥東口　純　　 108石
⑦森　美紀　　 102福

③加瀬の通算200勝が濃厚、相手は③着以内と考えるとやはり⑤奈良岡が一番計算しやすい。

好枠に転じた①知佳と「夜の女」(笑)④藤巻へ、⑥東口は近況ひと息の割に売れそうで見切る。

三連単
③→⑤＝①④

4/19
函館7Rガールズ予選２
[車 名 期県]
①板根　茜弥　 110東
②宮安　利紗　 106岡
③矢野　光世　 104福
④篠崎　新純　 102千▲
⑤奥井　迪　　 106東◎
⑥大谷　杏奈　 110愛
⑦中川　諒子　 102熊○

初日圧勝の⑤奥井、油断さえしなければ断然の存在だ。

⑦中川も好気配でスンナリ奥井後位を得られれば逆転も少し、あとは力で④篠崎を③着に。

中川の先行にツキバテした⑥大谷は見切って表裏の２点勝負。

三連単
⑤＝⑦→④

☆通算勝利数上位
※4/18現在

①奥井迪　　 106期200
②加瀬加奈子 102期199
③山原さくら 104期198
④石井寛子　 104期197
⑤梶田舞　　 104期183

なお高知記念「よさこい賞争覇戦」決勝は深谷知広が捲って圧勝、今回は久々に強い深谷を見せてもらった。

やはりこの選手が元気だと盛り上がる。