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中山・G1有馬記念展望~遂に迎える2016年秋競馬フィナーレ、これを取らなきゃ年は越せない?~

2016/12/25 8:09 閲覧数(633)
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皆様、改めましておはようございます。

という事で、中央競馬(JRA)の秋のG1戦線を予想していく連載コラムも、今回が最終回となります。勿論そのレースは、中央競馬2016年の集大成レース、グランプリ・有馬記念です。

ちょうど60年前、1956(昭和31)年にスタートした有馬記念。暮れの中山競馬場で、ダービーに匹敵する大レースを・・・という、当時の日本中央競馬会理事長の有馬頼寧(ありま・よりやす)氏の提唱により、当時としては珍しかったファン投票による出走馬選定方式によってスタートしました。当時のレース名は「中山グランプリ」。その第1回大会直後、明けて1957(昭和32)年1月に有馬氏が急逝。その功績を讃え、同年末の第2回から、有馬氏の名字を冠した「有馬記念」というレース名に改称され、以来60年、その年の中央競馬の総決算レースとして、数々の名勝負が繰り広げられてきました。

中でも、伝説として語り継がれ、個人的にも好きなのが、ちょうど私が生まれた年である1977(昭和52)年、第22回の有馬記念です。
この年は、出走頭数こそ8頭と少なかったのですが、「量より質」を地で行くようなメンバー構成。その中心に居たのが、「TTG」と呼ばれていた、同世代の3頭です。
テンポイント・トウショウボーイ・グリーングラス。それぞれの馬名の頭文字を取って「TTG」と呼ばれていた、1976(昭和51)年のクラシック世代。皐月賞を制したトウショウボーイ、菊花賞を制したのがグリーングラス。この中でテンポイントだけがクラシックを勝てなかったのですが、古馬になって春の天皇賞を制し、この有馬記念・・・前年、トウショウボーイに惜敗したリベンジを果たせるかどうかに注目が集まりました。
トウショウボーイが1番枠、テンポイントが3番枠。グリーングラスはその名前の通り6番枠。TTGより1つ下の世代の菊花賞馬・プレストウコウが5番枠。他の4頭(トウフクセダン、シンストーム、スピリットスワプス、メグロモガミ)が、人気面でも実績面でも、ある意味脇役的な立ち回りにならざるを得ないような様相であったと思われます。

当時0歳児の私。当然、リアルタイムで見ておらず、後年、競馬に興味を持ち始めてからビデオやDVDで見て衝撃を覚え、以来何度も見返すようになったレースです。

大方の展開予想では、逃げ馬の⑦スピリットスワプスが先行してレースを引っ張ると言われていたようなのですが、ゲートが開いて8頭が横一線でキレイなスタートを切った後、すぐにハナを奪いに行ったのが最内の①トウショウボーイ。そしてこれをマークする形になったのが③テンポイント。逃げると思われた⑦スピリットスワプスは、或いはこの2頭の飛び出しの絶対的なスピードに早くも屈する形となり、3番手を追走、その後勝負処ではその位置すらも守れず、という結果となります。
このレースは、この後道中も含めて心理戦を繰り広げながらマッチレースを仕掛け合う①トウショウボーイ・③テンポイントが最後の直線まで競り合い、これをじっくり見ていた⑥グリーングラスが直線追い込んでこの2頭に迫る勢いとなり、結果的に「TTG」3頭の争いとなりましたが、それを制したのが③テンポイント、遂に前年のリベンジを果たし、有馬記念勝者の栄誉に浴する事になります。
とにかくこのレースの凄いところは、スタートからTTの2頭がレースを支配し続け、競り合って潰れるのではなく、そのまま最後の直線まで真剣勝負を繰り広げた事。そして、それに割って入ろうと追い込んできたのが、「TTG」残り1頭のグリーングラスであった事。そして、殆どそれ以外の馬が(本来有馬記念に出てくる馬全てが「貴方も主役」なはずなのに)完全に脇役に回された事。それけ、この3頭による「マッチレース」という言葉がよく似合うレースであった(のではないか)と思うのであります。

そして、TTGの3頭は、この後それぞれの歩みを・・・まさにそれぞれ激動の、という、三者三様の道を歩む事になります。

この第22回有馬記念が引退レースであったトウショウボーイは、翌年から種牡馬として第二の「馬生」を歩む事になります。その最大の功績は、1983(昭和58)年のクラシック三冠馬となったミスターシービーを輩出した事。ちなみにミスターシービーの母(トウショウボーイの交配相手)はシービークインなのですが、このトウショウボーイとシービークインは、現役時代、何と全く同じレース(新馬戦)でデビューしたという、数奇な共通点があります(更にその新馬戦はグリーングラスのデビュー戦でもあったという、またこれも数奇な共通点と言えます)。それ以外にもパッシンクショット等のG1級を制した馬を産み出し、1992(平成4)年に亡くなるまでの間、競馬界にその影響を及ぼし続けました。

この第22回有馬記念時点で、現在のG1級レースのタイトルは菊花賞だけであったグリーングラスは、この後も現役生活を続けます。翌年、1978(昭和53)年には春の天皇賞を制し、そして更に翌年、引退レースとなった1979(昭和54)年の有馬記念を制し、TTの2頭に続いての有馬記念勝者となって、ターフを後にしました。種牡馬入りしてからは、1985(昭和60)年のエリザベス女王杯を制したリワードウイング等を産み出しています。2000(平成12)年に28歳で亡くなるまでの間、そしてその後も、競馬ファンに語り継がれている名馬の1頭です。

さて、この第22回有馬記念を制したテンポイントも、グリーングラス同様、翌年も現役生活を続けます。有馬記念で、生涯のライバル・トウショウボーイを競り落として日本一の称号を勝ち取り、その夢は海外へ。当時はまだそれほど例の無かった海外レース制覇の夢に向かい、その「壮行レース」、国内最後のレースに選ばれたのが、翌・1978(昭和53)年1月、風花舞い散る京都競馬場で行われた、日本経済新春杯(現在の日経新春杯)でした。ハンデキャッパーによって負担重量が定められるハンデキャップ競走で・・・テンポイントの負担重量は現在では考えられない66.5キロ。しかし実績最上位、有馬記念を制した事も有り、断然人気に推されたこのレース、途中までは順調に進んでいたようですが、4コーナー手前で突然のアクシデント。重度の骨折を発症し、競走中止。その瞬間も映像に残されています。本来であれば安楽死処分となる程の重度の骨折でしたが、ファンからの助命嘆願が殺到した事もあり、成功の確率が微小である事を踏まえつつ、手術を行う事になりました。一旦それが成功したかに思えましたが、実際には体調が悪化の一途を辿り、遂には競走馬としては致命的な病気である蹄葉炎を発症、日経新春杯から約2ヶ月後の3月5日朝、その短く激動の生涯を閉じました。

この「TTG」のエピソードを含め、この3頭が凌ぎを削った、ちょうど私が生まれた年の瀬に行われた有馬記念という事で、これからも私の中でこれを上回るレースは無いかなぁ・・・と思っております。

それから39年。時代も、私も、中央競馬も大きく様変わりをし、また今年も迎える年末の運試し。来年に向けては、オートレースだけでなく競馬のコラムも充実させてみたいかな・・・と思っている中で、ビシッと2016年の競馬を締める意味でも、やっぱり取りたいレースなのであります。

・・・だいぶ前置きが長くなりましたが、それだけ思い入れがあるという事で、ご容赦頂ければと思います。
では、ここから予想に入ります。


[2016.12.25] 中山10R
第61回有馬記念(GⅠ) 芝2500m

△[1]①キタサンブラック (57武 豊)牡4
 [1]②ゴールドアクター (57吉田隼)牡5
 [2]③ムスカテール   (57中谷雄)牡8
 [2]④ヤマカツエース  (57池添謙)牡4
 [3]⑤サムソンズプライド(57横山典)牡6
▲[3]⑥サウンズオブアース(57デムー)牡5
注[4]⑦マルターズアポジー(57武士沢)牡4
 [4]⑧ミッキークイーン (55浜中俊)牝4
 [5]⑨ヒットザターゲット(57田辺裕)牡8
△[5]⑩アドマイヤデウス (57岩田康)牡5
◎[6]⑪サトノダイヤモンド(55ルメー)牡3
 [6]⑫サトノノブレス  (57シュミ)牡6
△[7]⑬デニムアンドルビー(55バルザ)牝6
○[7]⑭シュヴァルグラン (57福永祐)牡4
 [8]⑮アルバート    (57戸崎圭)牡5
 [8]⑯マリアライト   (55蛯名正)牝5

とにかく最大のポイントは、またも最内枠を引いた①キタサンブラックの取捨か。前走のジャパンCでも最内枠からマイペース先行に持ち込み、直線の長い東京でも逃げ切って見せた。今回もマイペース先行なら・・・という中で、徹底先行馬⑦マルターズアポジーがこれを制して逃げるとも言われ、すぐ外に居る昨年の勝ち馬②ゴールドアクターにもマークされる形になると考えられ、前走のようにスンナリとマイペースで進行するとは考えにくい。開催も進み、内が荒れていたり、引っ張ってペースが上がれば外差しも決まるような状況にもなろうと考え、中心の狙いからは外させて頂く(とは言え、差す競馬も実績が有るだけに、馬券圏内には考えたい)。
ある程度前がごちゃつきそうな中をじっくり中団あたりから構える形となれば、菊花賞でも強い競馬を見せた⑪サトノダイヤモンドが直線一気に突き抜けると見たい。距離や展開という様々なファクターに於いて総合力は最も上、クラシック戦線では惜敗も続いたが、前走の勝ちっぷりは本物、いよいよ本格化したと考えている。
同じように差してくる馬としてピックアップしたいのが⑭シュヴァルグラン。前走のジャパンCでは3着、その前は有馬記念でも勝ち馬を多く輩出しているアルゼンチン共和国杯を制しており、外から一緒に差してくると見たい。
そのジャパンCで2着とまたも惜敗、今や現役世代では最強の「2勝馬」⑥サウンズオブアースも実績面で上位なのは明らかで、名手を背にここも馬券の一翼を担うと見る。
此処からは穴馬、まず指名したいのが⑩アドマイヤデウス。昨年は7着と敗れたが、此処までの臨戦過程は昨年以上と見たい。
また、⑬デニムアンドルビーも今年は阪神大賞典と宝塚記念で2着、休み明けの金鯱賞を叩いての此処が勝負か。
一応前の残り目として、楽な逃げの形になった時の為の⑦マルターズアポジーを3連複の端っこに。

<買い目>
(馬単)⑪=①⑥⑭
(馬連)⑭=①⑥
(3複)1頭軸:⑪、相手:⑥⑦⑩⑬⑭
(3単)⑪-⑥⑭-①⑥⑩⑬⑭
(ワイド)①=⑦


以上です。
少しでも馬券の方でもお役に立てれば・・・と思います。
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コメント(2)

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浜松の風

TTGの三頭の話は有名で語り草にもなるほど熱くなりますね
生で見た世代ではないですよ
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Kazz

>浜松の風さん

コメントありがとうございます(^o^)
この3頭の存在は、競馬のギャンブル的要素以外の部分を象徴しているなぁ、と思うくらい、ドラマチックな感じですよね。
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