歴史上の傑物から近所の居酒屋まで。全国各地の競輪が様々な名前や屋号で飾られるが、その陳腐な大仰さで一二位を争うのは「ジャパン・カップ」と「和歌山グランプリ」ではなかろうか。どちらも茫っとした曖昧な、張りぼてみたいに大きく見せようとするネーミングにナンダカナアと、ぼやいているのは暇人の俺だけか。
正真正銘の「競輪グランプリ」で確定板を挙げた村上義弘、武田豊樹、浅井康太がそのまま「和歌山グランプリ」なら、決勝はその三人のボックスでよかろう――。
まだ二日目の午前中だというのに、そんな「語呂合わせ」みたいな車券でお茶を濁そうとしている俺のギャンブルは、完全に腰が引けている。
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