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2019年打ち納め、SG第34回スーパースター王座決定戦展望

2019/12/31 8:25 閲覧数(1636)
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皆様、おはようございます。

いよいよ大晦日の朝を迎えました。
スーパースターフェスタ、そして2019年のオートレースは、今日、総決算を迎えます。

王座決定戦の発走予定時刻は17時15分。例年通り、完全にナイター仕様で行われる事になると見て良いでしょう。
ナイター照明の下、漆黒の闇の中にオーバルの形だけが明るく浮かび上がり、2019年の掉尾を飾るに相応しい、10周回の壮絶バトルが繰り広げられる事でしょう。

そして、令和元年、新しい時代を告げるスーパースター王座決定戦に、またひとつ歴史的快挙が生まれました。
今年スーパースタートライアル戦初出場を決めた、現代オートレース女性レーサーのパイオニア・佐藤摩弥選手が、一気に王座決定戦への進出をも決めました。
最終的には丹村飛とのボーダー争いとなりましたが、12Rのゴール前、2番手走行の丹村飛に対し鈴木圭のチョイ差しが決まり、丹村飛は3着。もし2着のままであった場合は、佐藤摩が次点となってしまっていただけに、鈴木圭の好アシストが決まったような形となりました。

さて、4日間の激闘を経て、今年最後の覇を競うベスト8が出揃いました。
以下に、トライアル4日間を経ての上位8選手の順位(=王座戦の枠番選択順)と、選択した枠を列挙します。

1位:青山周 8.00(32点/4走) ⇒1枠
2位:鈴木圭 8.00(32点/4走) ⇒5枠
3位:永井大 7.25(29点/4走) ⇒2枠
4位:佐藤貴 6.75(27点/4走) ⇒4枠
5位:高橋貢 6.00(24点/4走) ⇒3枠
6位:早川清 5.25(21点/4走) ⇒6枠
7位:荒尾聡 5.00(20点/4走) ⇒8枠
8位:佐藤摩 5.00(20点/4走) ⇒7枠

という事で、同じ平均点8.00で並んだ青山周と鈴木圭の両雄は、優先順位の関係で、1位=青山周、2位=鈴木圭に。やはりこのツートップ、どちらが上になるか(即ちどちらが先に枠番を選択するか)は本当にシビアな課題となります。今回は全くの同点、しかし優先順位(これも1位=青山周、2位=鈴木圭で僅差の争い)の関係で、最初の選択権は青山周に。ほぼ迷わず、初日同様「1枠」を選択しました。
これを受け、続く鈴木圭がコールしたのは「5枠」。そのまま内から枠順通り・・・というケースも考えられる中で、この辺りは鈴木圭らしい選択と言えるかもしれません。
続く永井大は「2枠」を選択。そして、3枠が空いていても、赤との相性の悪さを口にする佐藤貴はそこを選ばず、4枠へ。こうなると、ポッカリ空いた3枠には高橋貢が収まり、6位通過の早川清がその順位通りの6枠を選択。
そして、この後にもう1つ・・・7位通過の荒尾聡は、8枠の方を選択。これもまた戦略的な選択、スタート速攻力を持つ佐藤摩に敢えて7枠を選ばせ、そのスタートに外から乗って行こうという判断でしょう。

それではここから、本題に入っていく事にします。


【川口12R:SG第34回スーパースター王座決定戦】(10周回・5100m)

※選手名以下は、トライアル4日間の成績。
 [走路状態] 着順(レース番号・枠順)試走タイム/本走タイム、ST(スタートタイミング)


①青山 周平 (伊勢崎)

初日[良] 2着(12R1枠)3.28/3.371、ST=11
2日[良] 1着(12R4枠)3.27/3.373、ST=06
3日[良] 2着(11R3枠)3.26/3.356、ST=05
4日[湿] 3着(11R6枠)3.66/3.680、ST=13

トライアル戦1位通過、どの枠でも選べる状況で選んだ枠は「1枠」。昨年、このSS王座戦を制した永井大もそうしたように、スタート争いが紙一重で熾烈を極める今のビッグレース優勝戦において、1枠は文字通り「ポールポジション」と言えるような気がします。青山周自身も1枠からの実績も十分で、また良走路の初日~3日目まで全てトップスタート、確実な先行力も魅力となります。気になっているのが、今節ここまで突き離して逃げられていない点(接戦になっている点)ですが、今日のスタート展開が①④の順になった場合は、④佐藤貴が少し押さえ役のようなポジションになるため、序盤である程度アドバンテージを作る事が出来そう、という強みが有ります。


②永井 大介 (川口)

初日[良] 3着(11R5枠)3.28/3.366、ST=07
2日[良] 6着(12R1枠)3.27/3.383、ST=11
3日[良] 1着(12R5枠)3.26/3.349、ST=10
4日[湿] 1着(11R3枠)3.62/3.668、ST=07

カギとなるのがスタートです。5枠からとなった初日および3日目は2~3番手の位置に付けられていますが、1枠となった2日目はスタートから伸びていかず、そのまま中団に埋もれる形となってしまいました。また、初日のスタートも内枠③④が凹んだ事で1角手前で道が出来たというのも大きかったように思います。今日も内に①青山周、外に④佐藤貴、更には⑤鈴木圭とスタート巧者が居る中では、序盤の位置取りも苦しくなりそうな印象。勿論、今日突然のスタートがドンピシャ決まるという可能性もゼロではありませんので(この大舞台となるとスタート争いも紙一重になるため)、そうなったらもう白旗を揚げるのみ。ここまでの状況を客観的に見てみると、その序盤の位置取りという点での不安が拭えず、強くは推せません。


③高橋 貢 (伊勢崎)

初日[良] 1着(12R2枠)3.27/3.359、ST=10
2日[良] 8着(11R8枠)3.29/3.388、ST=16
3日[良] 4着(11R4枠)3.29/3.363、ST=05
4日[湿] 2着(11R4枠)3.63/3.671、ST=05

この選手もカギとなりそうなのはスタートで、3日目、内に青山周、外に鈴木圭が居る状況で完全に両者に伸び負けしているところを見ても、やはりその点は超えられない差なのかな、と思います。初日はそれでも前団に取り付き、先行した青山周を早めに捕える攻めを見せており、機力面では高位安定、また今日も枠自体はこのSS王座戦では相性の良い「3枠」。スタートで巧く内の好位~中団に潜り込む事が出来れば、或いはそこから追い上げる形に持ち込める可能性が有ります。混戦になれば尚更、チャンスが広がってくると思われます。


④佐藤 貴也 (浜松)

初日[良] 6着(11R6枠)3.28/3.371、ST=16
2日[良] 3着(11R7枠)3.30/3.356、ST=13
3日[良] 2着(12R8枠)3.27/3.368、ST=10
4日[湿] 1着(12R4枠)3.60/3.649、ST=08

今日、スタート展開の最大のキーマンと言えるのが、この選手です。機力に加えて、持ち前のスタート速攻力も、尻上がりの印象。初日にスタート含め見せ場を作れなかった状況からは一変していると見ています。元来、大舞台でも平常心で臨める強心臓の持ち主。①青山周に続く2番手スタートというのが一番有りそうな印象ですが、もしかしたら、その上を行くスタートを切っていける可能性が有ります。「内の青山周VS外の鈴木圭」のスタート争いであれば、ほぼ内の青山周の先行で堅いのですが、そこに佐藤貴が挟まった時に、この選手の一発のスタート力は、その常識を覆す可能性が有ります。そして、この選手が怖いのは、「一度先頭に立ったら、コースを押さえて後続をシャットアウトできる」というところ。3日目は大外からのトップS、この時は3周3角、外に付けていた早川清を抵抗しに行って空いた内を永井大に差し込まれていますが、それ以降は後続を全て押さえ込んでいます。自身初のSG制覇となった昨年のオールスターでは10周回見事に押さえ切りました。今日はトップSとなった場合は、いつものように内を開けない戦法に徹するのではないかと見ています。今日は、日中季節外れの暖かさとなる模様、それでも夕方には急激に冷え込むはずですが、走路温度はそこまで急には下がらないのでは?と見ています(10度台後半くらい?)。もしかしたらウィンタータイヤでは後半追いづらい状況になる可能性も否定できません。そうなると、とにかく序盤の位置取りが重要になると考えています。
これまでも何度かSS王座戦に進出しているものの、枠も外寄りであったり走路が不安定であったりで、持ち前の大舞台での強さを発揮できずにいますが、おそらく佐藤貴自身初めて、SS王座戦の舞台で好枠から発進できる状況と言えます。昨年自身初のSGも獲り、実績も経験も積んでいる今なら、一発逆転あってもおかしくありません。


⑤鈴木 圭一郎 (浜松)

初日[良] 1着(11R1枠)3.28/3.361、ST=08
2日[良] 5着(12R5枠)3.29/3.380、ST=04
3日[良] 1着(11R5枠)3.29/3.356、ST=07
4日[湿] 2着(12R8枠)3.58/3.654、ST=16

2番目の枠番選択権利で、選んだのがこの「5枠」でした。①青山周のすぐ外では強みが活きない、更には内枠勢に入るであろう選手をスタートで飲み込み、自身の展開を有利に運ぼうという意図(あとはゲンの良さ、今節2回経験しているイメージの良さ)などが考えられますが、個人的に疑問であったのが、スタート巧者の佐藤貴まで内に入れる事になるこの5枠という選択でした。佐藤貴のスタートには外から乗っていこう、という事なのかもしれませんが、自身のスタート力で展開を作りたいと思えば、4枠を選ぶのでは?と思っていました(それであれば、選択順3位の永井大が2枠を選んだ後、4位の佐藤貴は空いている3枠を嫌って5枠を選ぶと思われるため)。
もし、④佐藤貴まで外からスタートで飲み込んでしまえば、また「青山周VS鈴木圭」の構図が出来上がります。その展開で3日目には、自身初のSG制覇となった'16年の全日本選抜を彷彿とさせる「ゴール前のチョイ差し」を決めている分、今回はもしかしたら逆転も十分有ると想定できますが(勿論この可能性は否定しません)、④佐藤貴を飲み込めなかった場合は逆に厄介な相手となります。他を圧倒するような機力の持ち主(独走展開になったらその伸びシロは果てしない)でありながら、混戦レースには滅法弱いイメージが有ります。④佐藤貴に出られてしまうと、そこを突破するのに時間を要し、勝ち切るまでは厳しくなるのでは・・・?と考えています。


⑥早川 清太郎 (伊勢崎)

初日[良] 5着(11R3枠)3.28/3.371、ST=20
2日[良] 2着(12R3枠)3.27/3.376、ST=10
3日[良] 3着(12R2枠)3.27/3.371、ST=10
4日[湿] 6着(11R1枠)3.64/3.693、ST=06

機力自体は高位安定、2日目・3日目には好スタートを決めており、前団に取り付いてはいますが、そこから勝ち切るところまでには至っていません。今日は外寄りの枠、しかもすぐ外にはスタート巧者の⑦佐藤摩が居り、今日はまずスタートの出足勝負で見劣りしてしまう印象です。問題はその後の展開で、逃げる選手がペースを上げるのか、コースを押さえる展開になるのか。この枠では後半の追い上げに賭けたいと思われる当人にとっては、後者の方がありがたいはずです。後半伸びてくる可能性が否定できないため、勝ち切れないまでも印は回しておく必要が有ると見ています。


⑦佐藤 摩弥 (川口)

初日[良] 8着(11R7枠)3.30/3.385、ST=12
2日[良] 1着(11R4枠)3.28/3.351、ST=03
3日[良] 4着(12R7枠)3.29/3.371、ST=10
4日[湿] 5着(12R6枠)3.63/3.688、ST=10

今年のSS戦線、話題の主役は常にこの選手であったと思います。女性レーサーとしての史上初をいくつも積み重ねてきた中、今回も「SSトライアル初勝利」、そして遂に、女性レーサーとして初めてSS王座戦への進出を決めました。この1年で更に大きく成長、スタートだけでなく、男性レーサー相手でも捌ける腕まで身につけ、最早割り引く必要のない存在となりました。今節のタイムも、とにかく2日目の「3.351」が異彩を放っています。今日、もし一気にその頂点にまで駆け上がったとしたら、そのニュースは業界の枠を超え、おそらく今夜の地上波のスポーツニュースにさえ取り上げられる可能性をも秘めています。勿論、それに期待したい思いも有ります。「ガールズ王座」創設初年度にして、ちょっと皮肉めいた事になってしまいますが。
ただ、客観的な評価を下してしまうと、さすがにまだそこまでは・・・?というのが正直なところです。2日目の「3.351」、これは4枠からトップスタートを決めた事で、機力をフルに活かせる形に持ち込めたのが大きかったように思います。今節7枠となった2戦ともトップスタートまでは行けていません。マイペースに持ち込めないとなると、さすがにそこから捌いて行けるような相手でも無く、追走が一杯となってしまうのでは、と考えています。


⑧荒尾 聡 (飯塚)

初日[良] 2着(11R2枠)3.29/3.363、ST=17
2日[良] 2着(11R3枠)3.28/3.354、ST=13
3日[良] 6着(11R1枠)3.30/3.385、ST=09
4日[湿] 8着(11R8枠)3.65/3.702、ST=19

枠番選択順は7位でしたが、佐藤摩に7枠を譲る形で先に「8枠」を選択しました。これはやはり、スタート巧者の佐藤摩に連れて行ってもらう形での発進の方が位置取りとしては良くなりそう、という事でしょうし、その意図は納得できるところです。ただ問題はその後、追い上げていけるかどうかという点。初日は鈴木圭を猛追し、もうあと一歩で届きませんでしたが、その時の機力は上位級でした。ただ、3日目以降に関しては明らかに下降線、初日がピークであったとするならば、現状ではやや見劣りする感は否めませんし、前半の好走も、枠の良さと位置取りの良さに拠るものだとしたら、やはりそれが難しそうな今日は苦しくなる可能性の方が高そうです。


[2019.12.31] 川口
スーパースターフェスタ・最終日
【12R】SG第34回スーパースター王座決定戦 5100m(10周)

◎①青山周平 (伊)
 ②永井大介 (川)
▲③高橋 貢 (伊)
○④佐藤貴也 (浜)
注⑤鈴木圭一郎(浜)
△⑥早川清太郎(伊)
 ⑦佐藤摩弥 (川)
 ⑧荒尾 聡 (飯)

<買い目>
本線(3単)1-34-3456
押え(3単)4-1-356、4-3-1


というわけで、4日間のトライアルの動きや枠順等、様々な要素を勘案し、今年のスーパースター王座決定戦の前予想は、以上の通りとなりました。

そして、これが2019年ラストのコラムになります。
Gambooコラム6年目の今年も、読者の皆様には大変お世話になりました。
また来年も変わらぬご愛顧の程、宜しくお願い致します。

このコラムをご覧の皆様方、また、このGambooコラムを運営頂いている皆様にとって、良い年を迎えられます事をご祈念しまして、今年のコラムの締めとさせて頂きます。
これから私は今年最後の勝負の地・川口へ馳せ参じます。

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コメント(2)

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MAX

改めてましておはようございます。

先ほどは拙文にコメント投稿いただきありがとうございます。

いつもながら購入意欲をそそる力作さすがですね。

素人としては⑦佐藤摩弥が勝ってくれると業界的にも盛り上がるのだろうななどと思いますが、さすがにここに入ってしまうと厳しいですかね。

ガールズケイリンと決定的に違うのは男子選手に混じって戦わないといけないところで、競馬の菜七子もそうですがその頑張りには感心させられます。

今年も一年間素晴らしいコラムお疲れさまでした。

来年もよろしくお願い致します。
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Kazz

>MAXさん

こちらにもコメントありがとうございますm(__)m
2回投稿した理由は、お察しの通りです(^_^;)
そういう機能があったんですね。理解致しました。

サトマヤは残念な結果となりましたが、確実に未来に繋がる確かな実績を残してくれたと思います。ホントに男性の中に入っても遜色ないレベル。また来年以降の活躍が楽しみです。

こちらこそ、日頃よりご愛顧頂き、ありがとうございます。いつも励みになっています。
来年も宜しくお願い申し上げます。良いお年をお迎えください。
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